まず最初に自分たちが年間通して一番着るものってなんだろう?というところからスタートしました。答えはズバリPatagonia社のフーディニジャケットやArcteryx社のスコーミッッシュジャケット等のいわゆるナイロン製のウィンドシェルでした。
ただこれらはシェルとして主に行動中の羽織としての役回りや、街で着るにしてもサイズ感がタイトすぎたり生地に張りがなく野暮ったくなってしまい合わせにくいものが多かったので、わたしたちが目指したのは『ソフトシェルとジャケットの中間になるもの』という新しい視点で捉えたシャツ感覚で着れるジャケットのようなウィンドシェルです。
ベースはシンプルでありながらも、大きめの身幅と裾に向かって広がるシルエット、袖は太めの肘から丸みを帯びて裾に向かっていくシルエットが独特のバランス感覚になっています。
広い裾はそのまま着ることも可能ですが、裾に配置されたゴムとアジャスターで思いっきり絞って裾を中に入れて着丈を短くして丸みのあるバルーンシルエットでも着用できます。一見普通のラグランスリーブに見えますが昔のテーラードの手法を取り入れ、クラシックなバルマカーンコートの型紙を、より動きやすくなるように再設計。
インカーブとアウトカーブを複雑に交差させて立体的なシルエットに仕上げました。これにより、身幅があるジャケットにありがちな腕の上げにくさを極力解消し、特に腕の前後の運動を飛躍的に向上させることができました。
斜めに取られたポケットは、口径と容量をかなり大きく取ることによりスムーズ且つダイレクトにアクセスできるようにしました。生地はナイロン100%でリップストップのシアー素材。42g/㎡と極薄の生地を採用。
バランスとしては程よく風を通しそして防ぐ、着用し続けても蒸れを感じにくい通気性があり、汗をかいても張り付きにくく乾きやすいオールラウンドで使い易い安定感のある生地です。
■サイズ大:着丈(CB)83.5cm・身幅138cm・裄丈97cm・肩幅57cm